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法務事務所での電気のお仕事

某職員

弊所では、法務事務所にしては珍しく、電気用品安全法対応のための電気的安全性試験の実施など、電気に関するお仕事がたくさんありますので、それらをご紹介します。


まず、弊所での電気のお仕事の多くは、電気用品安全法(電安法・PSE)で求められている電気的試験のうち、①電安法8条1項に関する試験、②電安法8条2項に関する試験です。


①では、絶縁抵抗試験や、消費電力試験、電源変動試験、妨害電力測定など、様々な試験が行われます。ケーブルに炎を近づけて難燃性を試験するような破壊検査も含まれます。


また、製品ごとに独自の試験・条件が要求されることがあります。例えばアイスクリームフリーザーの場合は、レモンシャーベットなどを作ったときに腐食しないように、「有機酸に対して容易に腐しょくしないこと」とされています。

他には、自動販売機の場合は、「殺菌灯を使用するものにあっては、とびらを開いた状態において、紫外線が直接外部に漏れないこと」や、電子レンジの場合は「とびらを開いたとき、発振管は発振を停止すること」など、各電気用品が満たすべき基準が定められています。製造者・輸入者は、製品がこれらの試験に合格したことを示すテストレポートなどを保管する必要があります。


②では、製品によって試験は異なりますが、多くの製品では絶縁耐力試験、通電試験などが行われます。こちらは製造・輸入を行う全数に対して行います。こちらも、全数検査記録簿の保管義務があります。


 

① 電安法8条1項に関する試験


PSEの対象となる電気用品は、「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について」(技術基準省令解釈)に基づき、基準が示されています。この技術基準省令解釈では、PSE対象のすべての電気用品について、別表第一~第十一で、我が国固有の基準が規定されています。


一部の電気用品については、国際規格であるIECを基にしつつ、日本特有の配電事情を考慮して基準を設けています。具体的には、日本では接地付きコンセントが普及していないことや、配電線の接地方式が異なること(日本はTT方式、欧米は主にTN方式)があります。また、日本では電源電圧が100Vと低い(中国は220V、欧州は220~230V等)ため、感電保護における要件が緩和されています。

これらの要因を踏まえ、デビエーション(国際基準との差異)を調整した基準が、技術基準省令解釈の別表第十二で規定されています。つまり、この基準はIEC基準とは異なるため、IEC基準に適合しているからといって、必ずしも別表第十二に適合するとは限りません。


弊所では、IEC基準や別表第十二基準、別表第八基準などに基づいて、クライアント様が製造・輸入する電気用品について、電気的安全性の試験や、プレテストを実施しています※。

※ 登録検査機関ではないため、◇PSE製品の適合証明書発行はできません。


法8条1項試験やプレテストで用いる機材の一部

左上:絶縁抵抗計、右上:マルチテスター、左下:単相電力計、右下:オシロスコープ


8条1項試験を行うためには、弊所のテストラボへ実機をお送り頂くか、安定化電源等の機材一式を持ち込んで出張検査を行うことになります。


左:弊所の大阪ラボ試験スペースの一角(作業中のため雑然としています)

右:出張試験において、検査機器をセットアップしている様子


 

② 電安法8条2項に関する試験


こちらは製造・輸入した全数に対して行う試験です。弊所が受託する場合は、弊所のテストラボへ実機をお送り頂くのが原則ですが、「大型冷蔵庫を500台ほど検査してほしくてラボに送っていいですか」などと問い合わせを受けた際は、「事務所の床が抜けるので勘弁して下さい…出張検査で倉庫でも工場でもお伺いしますので…」となりました。弊所の拠点が増床して国立競技場くらい広くなったら、何百台でも受け入れさせて頂きたく思います。


左の写真は、法8条2項試験を行うための絶縁耐力試験機です。現在1,490Vが出力されていて、60秒間経過していて、漏洩電流は2.60mAであると示されています。


右の写真は、法8条2項試験を出張で行うため、絶縁耐力試験機などの必要な機材を運搬する様子です。①の試験に比べて荷物が10分の1以下で済むので助かります。


 

ここからは、弊所代表の大沢と、行政書士の谷垣に電気用品安全法や弊所の電気業務について気になることを聞きました。


職員「PSEの対象品で、なにか面白いものはありますか?」

大沢「そうですねえ、電気パン切り機とか。。。?海外のスーパーのパン売り場ではよく見かけますけど、日本では一般人は見かけないですよね。パン屋さんとかにはあるのかも知れませんけど。あと、電気ソーセージ焼器とか、するめ加工機とか、ほうじ茶機とか、そういう単機能に特化した食品関係の電気用品が好きです。なんとなく面白みを感じるんですけど、誰かわかってくれないかな」

谷垣「わかりますよ!昆布加工機とかね(笑)」

大沢「好きだと思った(笑)」


職員「PSEって家庭で使う電気用品のみが対象というわけでもないですよね?」

大沢「違いますよ。ちなみに、PSEの対象製品には理容いすとか、ベルトコンベアもあります」

職員「それは確かに、家庭用ではありえなさそうですね!」

大沢「逆に、医療機器は電気用品安全法の対象から外れます。医療機器は医療機器等法(薬機法、旧薬事法)の対象になるので、電気的安全性も医療機器等法に基づき試験されます」


職員「PSE違反の商品ってお店で見かけたら気づきますか?」

大沢「すぐわかるものもありますよね。定格銘板に法定表示が書かれていないとか、アース線の色や太さがおかしいとか、コンセントが日本のPSEではなく米国のULにだけ対応しているとかは、ひと目でわかります。職業病か、実機を展示しているとわざわざ確認しちゃいますね。これは経産省の担当官の方も同じじゃないかなあ。ECサイトでもラベルを見てアウトじゃんって買う前に気づいたりします」

谷垣「あと最近はSNSでも、一般の方が『PSE違反のバッテリーを掴まされた!』と話題にしていたりしますよね。PSEマークとか輸入者名の不備とか、そういうラベル関係は一般の方でも見抜きやすいポイントだと思いますけれど、それにしてもPSEが消費者まで周知されてきているなと感じます」

行政書士法人メイガス国際法務事務所

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